使ってみて初めてわかった!レンサバ各社のコントロールパネルの 「使いやすさ」と「使いにくさ」

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2017年8月3日 (更新日:2019年3月25日)

木下肇
木下肇

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レンタルサーバー初心者で意外と見過ごしがちなのが「コントロールパネルの使いやすさ」。人によって感じ方が違うので、ネットでは同じサービスのコンパネでも「使いやすい」という人や「使いにくい」など賛否両論があり、一見すると何が「良い」コンパネなのか分かりません。
今回は、代表的なレンタルサーバーサービスのコンパネの操作感についての「FTPアカウントを作成する」という共通の目的に基づいた使用感についてお話します。

個人事業主としてフリーエンジニアをしている木下です。
レンタルサーバーを契約してまず真っ先に実行したいのはWebコンテンツの公開になると思います。実際当方にご依頼いただくレンタルサーバーの設定は「レンタルサーバーを新規契約してWebコンテンツの公開ができるようにしておいて。」という作業のご依頼はいくつもあります。

近年個人か法人かを問わずWebサーバーを用意してコンテンツを公開するのは一般的になっています。動機は商品やサービスの紹介だったり、アフィリエイト報酬を狙ったサイト運営だったりと様々ですが、その中核にはWebサイトが存在しています。こういったWebサイト開設にあたってレンタルサーバーを契約してこれから始めようとしている人がまず迷うのが、「どのレンタルサーバーにしようか?」です。

本記事では、レンタルサーバーが開通してからWebコンテンツのアップロードに必要なFTPクライアントの設定までにどんな操作が必要になるのか、これを三社で比較してみます。
実際にレンタルサーバーを用意してからコンテンツを公開するまでのステップとして、各社に用意されたコントロールパネルを使ってどんな操作をすればいいのか?という比較です。

今回比較してみたのは以下の三社の共用レンタルサーバーサービスです。

  1. GMOクラウドのiCLUSTA

  2. さくらインターネットのレンタルサーバー

  3. KDDICPI シェアードプランACE01

いずれのサービスでも、申し込みを完了し、サービス事業者からの初期設定情報を受け取った状態からスタート、独自ドメインを使ってWebコンテンツを契約したレンタルサーバー(Webサーバー)にアップロードできるようにするまでの操作を比べてみます。実際にはDNSサーバーでレコード設定が必要になりますが割愛します。

iCLUSTAWeb公開

iCLUSTAGMOクラウド株式会社の共用レンタルサーバーメニューで「安定稼働」と「高速処理」を追求し、稼働率100%を標榜するレンタルサーバーです。
正式名称は「iCLUSTA+(アイクラスタプラス)」と言います。まず、コントロールパネルログイン画面を開くと図のような画面となります。
ここでログイン情報を入力していくことになります。iCLUSTAでは最初に「契約者アカウント」というログインIDとパスワードが提供され、これを使ってログインすることになります。

ログインしたトップページが次の図です。

画面右上のログイン情報には契約者アカウントを意味する「契約者」という表記が確認できます。
画面左側からやりたい内容を選択して右側画面に実際に操作・入力する情報画面が表示されます。
iCLUSTAでは契約者アカウントによるFTP接続ができません。そのため、コントロールパネル画面から「ドメイン管理者」や「サイト管理者」というFTP接続が可能な役割(ロール)のユーザーを登録する必要があります。
このため、画面中の「ユーザー管理」を選択して、「ユーザー登録」を実行することになります。
ユーザー登録画面を開くと、ユーザー名、コメント、パスワードの入力欄とユーザー権限を設定する箇所が表示されます。ここでFTP接続を実行するために利用するユーザーカウントを作成することになります。

ドメイン管理者とサイト管理者を作成してみました。

ユーザー情報を確認すると、FTP接続に必要な情報が表示されます。

FTP
ソフトで画面に表示されている情報を入力して接続してみると、FTP接続が成功しコンテンツの格納場所が表示されました。

さくらインターネットのレンタルサーバーでWeb公開

さくらインターネットはレンタルサーバーでは老舗の有名企業です。インターネットの利用がそれほど一般的ではなかった90年代から現在に至るまでビジネスを継続しています。「安価に」「コストパフォーマンスに優れた」サービスを提供するという特徴があります。確かに価格:性能で比較すると他社サービスより安価に性能を手に入れることができる幅広いプランが選択出来ます。

まずコントロールパネルを開くとログイン画面となります。
ログインに必要な情報は契約時に連絡を受けるドメイン名とパスワードのみとなります。IDで分かれることはありません。

ログイン後の画面はiCLUSTAとそれほど変わらない構図になっています。表示されている内容も画面左側で実行したい処理を選択して右側で実際の処理を実行する構図です。

iCLUSTAと相違して、さくらインターネットのレンタルサーバーでは契約時にすぐFTP接続可能なアカウント情報が連絡されます。そのため、ユーザー作成をする必要はないのですが、iCLUSTAと違って申し込み時にドメイン名が「~.sakura.ne.jp」に固定されています。独自ドメインを利用する場合には利用する前に利用したいドメイン登録を実行する必要があります。

画面左側からドメイン設定を選択すると右側画面がドメイン設定に遷移します。画面中にはデフォルトで設定される○○○.sakura.ne.jpというドメインが登録されていることが分かります。そのドメイン設定画面内から「新しいドメインの追加」を選択して、独自ドメインを追加するようにします。

新しいドメインの追加画面に遷移すると、どんな種類のドメインを追加するかを選択する画面になります。画面をスクロールして「他社で取得したドメインを移管せずに使う」を選択します。

ドメイン名の入力画面に遷移して、Web公開にあたって利用する独自ドメインを入力します。

ドメインの追加を実行します。

こうして独自ドメインがレンタルサーバーで利用可能になります。

DNSサーバーで指定したホスト名の他、契約時に連絡されたユーザー名とパスワードをFTPソフトに入力して接続が可能になります。

CPIのシェアードプランACE01Web公開

CPIKDDIグループのホスティングサービスブランドです。大手グループの安心感に加えて、ディスク容量や設定可能なマルチドメイン数、メールアドレスやメーリングリスト、データベースといった通常であれば○GBまで、○個/○アドレスまで、○インスタンスまで、といった制限が一切なく、契約したリソースを無制限に使えるユニークなレンタルサーバーです。単機能で安価なレンタルサーバーを、という要件に対しては割高となってしまいますが、一つのレンタルサーバー契約で大少様々なサイトを運営したい場合、この「無制限」は最大のメリットになります。リソース無制限のためプランの選択という概念もなく、選択肢は「シェアードプランACE01」のみです。

コントロールパネル画面を開くと次のような画面になります。

ユーザーポータルIDという名称のユーザーIDとパスワードの入力画面になります。他の2サービスと違ってユーザーIDCPIが指定する英数字のランダム文字列になります。

ログインするとユーザーポータルトップページに遷移します。

ログイン後にトップページに表記されるのは「Webの設定をするかorメールの設定をするか」という選択をすることになります。他のトップページと違って右側にやりたいことリスト、左側に設定画面、という構図とは少し異なります。しかし画面を下部にスクロールしていくと

iCLUSTAやさくらインターネットのレンタルサーバーと違って、トップページは縦に分かれているのが特長的です。
シェアードプランACE01ではiCLUSTAと同様に、FTP接続に利用するユーザーを作成する必要があります。今回は「ウェブコントロールパネル」を選択してその設定を実行します。
Web設定用のトップページに画面が遷移します。

ここでようやく見慣れた構図の画面が表示されることになります。画面上部のタブを使ってもいいですし、右側のショートカットメニューを使ってもいいですし、画面左下のCategoryと記載された箇所を選んでも希望のページに到達できます。Webサイト設定用のページなのですが公開サイトとテストサイトの二種類のサイトが用意されており、それぞれで独立した設定を用意することになります。

ここではFTP接続に必要となるユーザーの作成を実行するため、「公開サイト用設定」を選択します。

選択すると公開用のWebサイトに対して実行する設定の一覧が表示されます。ここでFTP/ファイル管理を選択してFTPユーザー作成画面に遷移します。

FTP/ファイル管理画面でさらに「FTPアカウントの設定」という項目を選択して、FTPユーザー作成・編集画面に遷移します。

最初はFTPユーザーが作られていませんので、以下のような画面が表示されます。

FTP/ファイル管理画面でさらに「FTPアカウントの設定」という項目を選択して、FTPユーザー作成・編集画面に遷移します。

最初はFTPユーザーが作られていませんので、以下のような画面が表示されます。

ここで「FTPアカウント新規作成」を選択して、FTP接続用のユーザーIDを作成します。

FTPアカウントの新規作成画面に遷移します。ユーザーID、パスワード、識別用のコメントを入力する欄があります。また、他と違いログインした際にそのFTPユーザーがアクセス可能なディレクトリをログインディレクトリという箇所で制御することができるようになっています。

必要な情報を入力して「新規追加」ボタンをクリックするとFTPユーザーが生成されます。

FTPユーザーを作成すると、一覧表示に作成したユーザーが表示されるようになります。パスワード変更やログインディレクトリの変更をしたい場合には「設定変更」のボタンをクリックして変更ができます。

作成したユーザーをFTPクライアントに設定してWebコンテンツを配置するディレクトリにアクセスできます。

 

簡単な比較

それぞれのコントロールパネルを比較すると、同じコントロールパネルでも違いがあることが分かります。
本来コントロールパネルは管理者が使う画面という前提で使う道具ですが、iCLUSTAは管理者だけでなくユーザーが自分自身の設定を自分の権限の範囲内で変更するためにも利用することができます。そのため、同じコントロールパネルでマルチユーザーを意識したコントロールパネル画面になっています。

ログイン画面からドメインとユーザーIDとパスワードを入力して同一ドメインでもユーザーIDによってコントロールパネルの機能を制限することができるのはユニークな機能といえます。

特に「Webサイトの制作は制作会社に任せる」といった場合にはサイト管理者権限のユーザーIDを作成してコントロールパネルのURLとログイン情報を渡すだけでWeb制作会社ではそのWebサーバーで作業するために必要な情報を一通り入手し作業を完了させることができます。

iCLUSTAでは全プランでこういった複数ユーザーの管理者を設けることができますが、さくらインターネットのレンタルサーバーでは上位プランでのみ権限をユーザー毎設定することができる複数人管理機能が利用できます。

CPIのシェアードプランACE01ではユーザーポータルで選択するWebコントロールパネルやメールコントロールパネルへダイレクトにログイン可能なアクセス情報を用意することによって役割を分割しています。ユーザーポータルの下部にその情報が表示されており、全体の管理者とは別に「Webだけ管理する管理者IDURL」「メール機能だけ管理する管理者IDURL」を利用することによって、Web管理者やメール管理者を別々のユーザーで管理作業を実施することが可能になります。

まとめ:Web公開までの使いやすさ

まとめとして、今回比較した三社でWeb公開までの使いやすさを主観ではありますが比較してみました。評価の視点としては
「サーバーのことをあまり知らない人がWebサイトを開設するにあたり直感的に使えるかどうか」
という視点で評価しています。

サービス名

評価:五段階

GMOクラウドのiCLUSTA

★★★★

さくらインターネットのレンタルサーバー

★★★★★

KDDICPI シェアードプランACE01

★★★

今回実際に使ってみてさくらインターネットのレンタルサーバーは「サーバー知識がない人でもすぐにWebサイトが開設できるまでに到達できる」という点は優れているように感じました。まずサーバー開設時点の初期状態ですぐFTP接続しコンテンツ公開ができるようになっている点は初心者にはうれしいところです。
独自ドメインでWeb公開するにしても後々勉強してから…、と先送りすることもできます。

次点のiCLUSTAは契約者アカウントと管理者アカウントの使い分け、管理者アカウントの中でも全体管理者とサイト管理者という役割別の分類があり、初心者には多少分かりにくさがあるので★-1としました。
ただし、サービス開設時の設定作業に使う契約者アカウントと運用段階での設定作業やコンテンツなどの管理作業に利用する認証情報が分離しているということは使う上で分かりにくい反面、セキュリティの観点からは評価できるポイントとなります。

CPIシェアードプランACE01は「知識があるユーザー向け」と感じるコントロールパネルの構成でした。元々リソース無制限に魅力を感じて契約するユーザーが多いことから、契約する人はある程度知っているという前提でコントロールパネルが用意されているように見受けられます。例えば他の二社ではFTPユーザーという用語はコントロールパネル内で使われていないのですが、CPIシェアードプランACE01では「FTPアカウント新規追加」という表現が使われています。エンジニアであればこういった直接的な表現は分かりやすいのですが初心者としては表現の一つ一つ知識を要求されてしまう点において★-1としました。

この記事を書いた人
木下肇
木下肇
東京/神奈川を中心に、都内中堅企業ではシステム部門の一員として部内インフラ業務に、別の小規模企業ではインフラ全般について管理業務の委託を受けるフリーエンジニア。オンプレミスの企業内インフラからクラウド環境のサーバー/ネットワークまで、OS守備範囲はWindowsからLinuxまで、障害の診断や修復/修理であればソフトからハードまで、幅広い守備範囲で日々お客様の業務を遂行しています。
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レンタルサーバーについて毎日考える、レンタルサーバー会社に勤める有志連合。
レンタルサーバーを使うお客さまと身近に接している10年の経験を元に、世の中にはびこる「危ないレンタルサーバー情報」に一石を投じるべく立ち上がる。
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