これからECサイトを始めたい個人や企業担当者の方には、国内で最も人気のあるECサイト構築用のオープンソース「EC-CUBE(ECキューブ)」を使うことをおすすめします。
EC-CUBEがおすすめの理由は、以下の3つです。
- 国内産のオープンソースであり、日本語サイトにも多く利用されている
- 無償でインストールできるため、レンタルサーバーの運用コストのみで利用できる(初期費用・月額費用がかからない)
- さまざまな機能が追加できる拡張機能(プラグイン)が公開されているため、カスタマイズ性が高い
しかし、「EC-CUBEを使いたいけど、どうやって導入すればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、初心者でも簡単にEC-CUBEを導入できる方法についてわかりやすくご紹介します。
この方法を実践すれば、わずか30分~1時間程度でECサイトの土台が構築できるので、ぜひお試しください。
レンタルサーバー iCLUSTA+でEC-CUBEを導入する流れ
通常、EC-CUBEの導入には次の4つの手順が必要です。
- ECサイト用のデータベースを新規作成
- EC-CUBEを公式サイトからダウンロード
- ダウンロードしたファイルをサーバーへアップロード
- 初期設定を入力してEC-CUBEをインストール
これらの作業を初心者が行ったら、まず1日では終わりません。EC-CUBEの導入にはデータベース構築などの高度な専門知識が必要だからです。万が一、トラブルやエラーが起きたら、自力で解決するのは難しいでしょう。
しかし、EC-CUBEを簡単にインストールできるレンタルサーバーを使用すれば、初心者でも手軽にEC-CUBEを導入することが可能です。そこで今回は、EC-CUBEのインストール機能を持つレンタルサーバー「iCLUSTA+」を使って、ゼロからEC-CUBEを導入するまでの流れについてご紹介します。
EC-CUBEのインストール準備(データベースの追加)
まず、EC-CUBEを使うためには、レンタルサーバー上にデータベースを追加する必要があります。データベースとは、EC-CUBEのファイルを収納・整理しておくサーバー上の保管場所のことです。
iCLUSTA+では、アカウントマネージャーにログインして、データベースのオプション(無料)を自由に追加できます。
次に、コントロールパネルにログインします。
左メニューの「データベース」を開き、「インスタンス新規追加」をクリックします。インスタンスとは、データベースを格納する箱のようなものです。iCLUSTA+では1インスタンスにつき、10個のデータベースが作成できます。
以下のようなインスタンス設定画面が表示されます。設定項目は以下の通りです。
設定項目
- バージョン
- MySQLのバージョンを選択します。iCLUSTA+でインストールする「EC-CUBE3」は、MySQL5.7を使用するので「5.7」を選択します。
※最新バージョンのMySQL8ではインストールできません - パスワード
- 任意のパスワードを設定します(セキュリティの高い「パスワード自動生成」がおすすめ)
- コメント
- インスタンス管理用のコメントを任意で入力します(空欄でも可)
- 契約者/ドメイン管理者
- 「サイト管理者も利用可能」に任意でチェックを入れます
- データベース名
- 任意のデータベース名を入力します(英数字で入力)
- コメント
- データベース管理用のコメントを任意で入力します(空欄でも可)
以下の画像のように設定するとよいでしょう。
なお、ここで設定したデータベース名やパスワードは、後ほどEC-CUBEの設定で必要になるため、メモなどで控えておくことをおすすめします。
注意点:PHPのバージョンは7.2に変更しておくこと
EC-CUBE3は、データベースのPHPバージョンが「PHP7」であることが必須要件です。
コントロールパネルの左メニューの「Web」 ⇒ 「PHP」にアクセスし、PHPバージョンを「7.2」に設定します。PHPバージョンが異なると正しく作動しないため注意しましょう。
これで、EC-CUBEのインストール準備が完了です。
EC-CUBEをインストールする
それではいよいよ、EC-CUBEをインストールします。EC-CUBEをインストールするためには、iCLUSTA+のコントロールパネル(旧バージョン)を開く必要があります。
新バージョンのコントロールパネルでログインしている場合は、「ダッシュボード」の上部にある「旧バージョンに切り替え」をクリックします。
(このとき、再ログインを求められたら再ログインします)
以下のようなコントロールパネルが表示されます。
左メニューの「ウェブコントロール」 ⇒ 「アプリインストーラー」 をクリックします。
「アプリ・CGI管理」の箇所に記載されているURLをクリックすると、以下の画面が表示されるので、「インストール」をクリックします。
「インストール可能アプリ・CGI一覧」が表示されるので、一番下にある「ショッピングカート」の「インストール」をクリックします。
「アプリ・CGI管理 利用規定」を確認し、「承諾する」をクリックします。
次に、EC-CUBEのインストール先ディレクトリーを作成します。例えば、「www.自分のドメイン/shop/」にECサイトを構築したい場合、以下のように「shop」と入力します。
ディレクトリー名の確認画面が表示されるので、間違いなければ「インストール」をクリックします。
以下のような画面が表示されたら、「インストール完了」です。(処理には数分かかる場合があります)
上の画像の赤枠にある「www.自分のドメイン/shop/html/」というURLをクリックすると、以下のような画面が表示されます。このページ上でEC-CUBEの初期設定(環境設定)が行えます。
初期設定ページの上方に警告文(上の画像のオレンジと青色の部分)が表示される場合がありますが、EC-CUBEの設定には何ら問題ないので安心して進んでください。
まず、ページの下方に表示されている「EC-CUBEのシステム向上・デバッグのためのサイト情報の提供」の「送信を承諾する」にチェックを入れて、次へ進みましょう。
下の画面のような「権限チェック」が自動的に行われます。
権限チェックをクリアしたら、「次へ進む」をクリックし、「サイト設定」を行います。設定項目は以下の通りです。
設定項目
- あなたの店名
- ECサイトで使用する店名(サイト名)を入力します
- メールアドレス
- ECサイトで使用するメールアドレスを入力します
- 管理画面ログインID
- EC-CUBEの管理画面へのログインに使用するIDを設定します(英数字4~50文字)
- 管理画面パスワード
- EC-CUBEの管理画面へのログインに必要なパスワードを設定します(英数字8~32文字)
- セキュリティの設定
- 管理画面のディレクトリー名を任意で設定します。任意のディレクトリー名に設定することでセキュリティを高めます。(英数字4~50文字)
以下の画像のように設定するとよいでしょう。
設定が終わったら「次へ進む」をクリックします。続いて「データベースの設定」を行います。設定項目は以下の通りです。
設定項目
- データベースの種類
- 「MySQL」を選択します
- データベースのホスト名
- データベースサーバー名を入力します
- ポート番号
- データベースのポート番号を入力します
- データベース名
- データベース名を入力します
- ユーザ名
- データベースの権限ユーザ名を入力します
- パスワード
- データベースのパスワードを入力します
上記に必要なデータベースの詳細情報は、iCLUSTA+のコントロールパネル(新バージョン)の左メニューから「データベース」 ⇒ 「インスタンス詳細情報」で確認できます。
具体的には、インスタンス詳細情報の次の項目を入力します。
以下の画像のように設定できれば大丈夫です。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、一つひとつの項目を確認しながら入力すれば問題ありません。万が一、書き間違えても何度もやり直しできるので、落ち着いて入力しましょう。
設定が終わったら「次へ進む」をクリックします。最後に、「データベースの初期化」を行います。
「次へ進む」をクリックすると、データベースが初期化されます。
以上で、EC-CUBEのインストールおよび初期設定が完了です。
「管理画面を表示」をクリックすると、次のようなログイン画面が表示されるので、EC-CUBEのサイト設定で決めたIDとパスワードを入力します。
※ログインURLは「www.自分のドメイン/shop/html/設定したディレクトリー名/」
ログインすると、EC-CUBEの管理画面が表示されます。
この管理画面で商品管理や受注管理、会員管理などのECサイトに必要な業務管理を行うことができます。
自分のECサイトは、「www.自分のドメイン/shop/html/」で開くことができます。
このように、おしゃれで機能的なECサイトがすぐに運用可能です。
EC-CUBEの導入はインストール機能つきのサーバーが便利
EC-CUBEは比較的簡単なステップで、実用性の高いECサイトを構築できるのが大きなメリットです。しかし、インストールや初期設定が何かと手間がかかりやすいため、EC-CUBEを導入するなら、簡単にインストールできるレンタルサーバーを選ぶことをおすすめします。
iCLUSTA+ byGMOを使えば、上記の手順で迷うことなく設定ができるので、ぜひ一度お試しください。