本当にあった!? レンタルサーバーの怖い話 vol.2(ヒューマンリソース編)

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2017年7月28日 (更新日:2019年3月25日)

CZVision
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「本当にあった!? レンタルサーバーの怖い話vol.1」では、主に機器のトラブルや仕様など、レンタルサーバー側に起因するヒヤリな事例を見てきました。

しかし事件は、レンタルサーバーの契約者である事業者の内部でこそ、多く起こっているのかもしれません。
ハードはレンタルサーバー会社側が管理していますので、事業者側で起こるトラブルの多くが人的な要因によるものです。
ここではそんなヒヤリとした、あるいはいつトラブルになってもおかしくない事例について紹介していきます。

管理者が不明、更新期限、危機一髪

終身雇用なんてもはや死語、今や8割以上の人が転職を繰り返している時代です。
8割というのは全体の平均ですから、企業規模や職種によってはもっと多いはず。中小企業に限定すれば離職率は大きく増えるはずですし、IT関係は頻繁に転職を繰り返す職種として知られます。

そのために問題になってくるのが、「サーバーの管理者って、誰だっけ?」ということです。次のような状態がよく見られます。

・サーバーの管理者が不明。
・引継ぎをされているはずの人が、あまり把握していない。
・引継ぎがされていない内容が多い。

私が中小企業に携わった際に、「サーバーについてはどなたに確認すれば良いですか」と質問するとざわめきが起こる、というケースが何度も見られました。

上に挙げたように管理者が不明、あるいは内容をほとんど把握していなかったからです。

ハウジングでサーバーを持っていたり、基幹システムに関係するサーバーでない場合は、ドキュメントがきちんと用意されている事はほとんどありません。担当者に一から確認したり、口頭でのやり取りが多くなります。

こうなるとコミュニケーションロスは大きな問題になるので、進め方が非常にナーバスになります。
私が一番ヒヤリとしたのは、やはりサーバーの契約更新がギリギリまでおこなわれていなかったという時です。

私:「サーバーの更新は大丈夫ですか?」

サーバー管理者:「そういえば何かメール来てたような気がするな」

そんなやり取りをしたこともありました。
サーバー側に何も問題がなくても、契約更新をしていなかったら取り返しのつかないデータ消失事件に発展してしまいますので、管理者は明確にしておきたいものです。

担当者はわかるけど・・・

引継ぎ絡みの恐怖事例でいくと、「担当者はわかるんだけど、ログイン情報がわからない」といったケースもあります。

引き継がれた担当者が一度も自分でログインしたことがない(ないしは引継ぎ中に前任者と一緒にログインしただけで、すっかり忘れてしまっている)ため、いざ管理画面にアクセスしないといけない状況になった際にあたふたしてしまい、大きなロスが出てしまいます。
ログイン情報がわからなかったら、どんなに優秀な人材でもどうすることもできません。
管理画面の中でソフトウェアのインストールをしたり設定変更をするのは自在にできても、入り口でブロックされているので当然のことです。

また私が経験した中には、管理画面のログイン情報はすぐに出されたものの、他が見つからず混乱したというケースがあります。
他のログイン情報とは、「データベース」「FTP」「メール」などさまざまです。

サーバーによっては共通でログインできますが、中には情報ごとにIDとパスワードが個別に設定されている場合があります。
管理者に問い合わせをすると

サーバー管理者:「これかな?」

私:「入れませんよ」

サーバー管理者:「探してみるんで、もう少し待ってて」

・・・

というやり取りを何度も繰り返しました。

どうしてもわからなければ、最終的にはレンタルサーバー会社に順を追って問合せをすれば済みますが、大切な情報なのできちんと契約が確認されてからでないと教えてはもらえません。
一つの情報が管理されていないだけで、無用な時間のロスと多大なストレスだけが発生してしまいます。

サーバーはどこの管轄? Web担当者、情報システム部

Web担当者は、どの部門に所属しているものでしょうか。

「広告宣伝部」「マーケティング部」「広報部」「総務部」「情報システム部」・・・。候補はいろいろあります。

もちろん完全に独立して、「Web部門」が設けられている会社もあります。
所属先がいろいろなだけに、レンタルサーバーの管理、契約窓口となる部門も一定しません。またサーバーだけは情報システム室が担当している、というケースもあります。

そこで起こる問題が、「責任の所在が不明瞭」といったことです。

たとえばWeb担当者がマーケティング部門に所属していて、IT部門がレンタルサーバーの契約をしているとしたら、IT部門は日常業務ではサーバー運営にまったくタッチしていませんから、引継ぎが疎かになったりログイン情報の管理がきちんとできていないのも頷けます(もちろん良くないことです)。部署が違うと、コミュニケーションロスも起こりがちです。

契約更新が危機一髪だったという問題もあれば、サーバーのメンテナンス予定が分からずサイト上に告知を出せなかったというものもあります。

ほとんどの場合で、レンタルサーバー会社からメンテナンス時期のお知らせなどは事前に届きます。しかし実務にタッチしていない管理者だけに来て、Web担当者はメールを受け取っていなかったため、外部に向けたアナウンスができなかったという例もよくあります。

スーパーマンがやって来る?

前述のようにIT関係は、入れ替わりの頻度が高い職種と言えます。
Web担当者がながく同じ人という例も、滅多にはないでしょう。企業ですから転職をしていくというだけでなく、新たな人材を雇う場合もあります。
補充でなく増員で、今後Webサイトを強化するという目的でキャリア採用をおこなう企業も数多くあります。
その時に問題になるのが、「スーパーマンがやって来る」現象です。
キャリア採用をした、新たなWebの人材が入社してくる前の会社内でありがちな会話を、書いてみましょう。

「今度来る人って、どんな感じなんですか」
「良い人材を雇ったよ。とにかくWebに詳しい。大手の〇〇のサイトや□□のサイトもやっているから、うちのWebも大きく伸びていくよ」

こうした会話をしていると想像は膨らみ、今度やってくるWeb担当者は「サイト企画」「ディレクション」「デザイン」「コーディング」「マーケティング」「プログラム」、そして「インフラ」とあらゆることができると想像されるかもしれません。

これぞ「スーパーマンがやって来る」現象です。
しかし、こんなに幅広いことをマルチにこなせる人材など、ほとんどいません。
いてもよほどの高級取りか、自分で独立してお金を稼ぎまくっているはずです。だいたいの人は上に挙げたいずれか12分野に強く、他のことをそれなりに知っていたらとても優秀と判断して良いでしょう。

Webサイトの制作ができる、といってもサーバーの設定や知識はまったく無いいという事は、よくあります。

そうした人に
MySQLを設定して」「今のレンタルサーバーにWordPressの最新バージョンをインストールして」
などと言っても、対処できないでしょう。

Webの世界も細分化していますから、スペシャリストといっても、サーバー周りのことは関知していないという人が割と多くいます

たとえばMySQLの設定や、サーバーの自動インストール機能を使わずWordPressをインストールするといったことは、たとえ「Webのスペシャリスト」であっても、できないケースが多いです。

サーバーの知見がまったく無ければ、ドメイン設定や.htaccessを使ったアクセス制御でも厳しいかもしれません。

実際に私も、「何でもできる、凄い人が来る」と言われた後にその人に会って話していると、「インフラ回りはほとんどタッチしていませんから、分かりません」と言われたことがありました。
つまりサーバーに関してはほぼ知識がないという訳です。ところが何でもできるスーパーマンが入って来るという情報が独り歩きをしてしまっていたため、サーバー管理などもすべてお任せするというスタンスに企業側はなっていました。そのため新たな担当者は大変な目に合った、というシチュエーションがありました。
通常の運用はまだしも、新たなソフトウェアをインストールして設定をしたり、何らかのトラブルが起こった時にその人だけの仕事となっていて周囲は誰もフォローしてくれないという、過酷な状況になっていたのです。

決して来るはずもないスーパーマンに、サーバー管理まですべて依存するようなやり方は控えましょう。

これって、個人向けサーバーですよ・・・

多くの経営層が、Webデザインやマーケティングを好みます。
しかしサーバーなどのインフラ回りには、興味を示しません。やはり目に見えるものの方が良く映る、といった現れなのでしょう。実務をするのは担当者なので別にそれでも良いのですが、困るのは予算をほとんどかけてもらえない場合です。
実際にサーバー代には二束三文のような予算しか確保されていないケースもあります。私があるWebサイトの構築に携わった時も、予算だけはあらかじめ勝手に割り振られていて、非常に困ったことがありました。

「レンタルサーバー代〇〇円」
と、ちょっと信じられないような低予算が書かれてあったのです。
「これって、個人向けのレンタルサーバー代ですよ・・・」と伝えても、
「個人向けでも、Webできるんでしょう」と言われ、脱力したものです。

セキュリティ面などを話すと理解してもらうのに時間がかるため、「落ちにくさ」「SSLなど法人サイトで必要な付加機能」を説明して、なんとか予算の組み直しをしてもらいました。
しかし正直個人サーバーでそのまま運営することになっていたら・・・と恐怖を感じたものです。
企業の予算計画というのは、一度決まってしまうと引っ繰り返すのがなかなか困難です。
サーバーにどのくらいの予算が確保されているか。もし企業サイトを運営するうえで非現実的なものになっていたら、すぐに対応に動くようにしましょう。

まとめ

レンタルサーバーに関わるヒューマンリソースでヒヤリとする要因を、まとめてみましょう。

〇管理者がハッキリしない。

〇人に依存して乗り切ろうとする。

〇サーバーへの理解が低く、予算確保が疎かになっている。

最後にこうしたトラブルを回避するための取組み方を、紹介しておきます。

レンタルサーバーはサーバー会社の方で管理のほとんどをやってくれるので、事業者側でドキュメントが用意されることがほとんどない傾向にあります。

しかしトラブルなくきちんと運営していくためには、やはり資料として形に残して引き継いでいく方が安心できます。

担当者はなるべくサーバー回りのドキュメントを作成し、人や体制が変わっても、運用で滞りやミスが出るのを無くしていくように心がけましょう。

この記事を書いた人
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「戦略で成果をつかむ」

Web分野ではプランニングからディレクション、マーケティングまで幅広く活動しています。
特にコンテンツ企画、アクセス解析やABテストを用いたデータドリブンな取組みを得意とし、
その向こう側にいるユーザーを常に意識しています。

ライターとしても専門分野であるデジタルマーケティング、Web、IT領域にとどまらず、
他ジャンルの記事制作や各種ニュースリリースの作成も積極的におこなっています。

仕事はいくつになっても燃えられる部活動のようなものと考えているので、手を抜かず
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レンタルサーバーについて毎日考える、レンタルサーバー会社に勤める有志連合。
レンタルサーバーを使うお客さまと身近に接している10年の経験を元に、世の中にはびこる「危ないレンタルサーバー情報」に一石を投じるべく立ち上がる。
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