「WordPressはSEOに強い」とよく言われますが、その理由を知っていますか。WordPressとSEOの関係をきちんと理解していないと、サイトを開設しただけで満足し、正しいサイト運営ができない落とし穴に陥ってしまいます。
ではどのようにすれば、WordPressのSEO対策を上手く行うことができるのでしょうか。
この記事では、これからWordPressを運営する方向けに、WordPressを開設したらまずやっておくべきSEO対策について解説します。
WordPress初心者の方も、この記事でご紹介するポイントをしっかり押さえれば、SEOに強いサイト運営が可能です。ぜひご参考にしてください。
目次
WordPressで作ったサイトはSEOに強いのか?
そもそも、なぜWordPressはSEOに強いのでしょうか。
結論から言えば、WordPressそのものがSEOに強いわけではなく、WordPressを使うことでSEO対策に効果的なさまざまな設定が可能になるため、SEOに強いとされているのです。
具体的には、次のようなSEO対策の設定ができます。
- SEOに強いWordPressテーマ(テンプレート)の導入
- パーマリンク(ページURL)の最適化
- 記事タイトルやディスクリプション(説明文)の設定
- 画像のaltテキスト(代替テキスト)の設定
- 内部リンク構造の最適化
- スマホ表示への対応(レスポンシブデザイン)
- SEO対策のためのプラグイン(拡張機能)の導入
これらの設定を適切に行えば、SEOに強いサイト運営が可能になります。
一方、いくらWordPressでサイトを作っても、これらの設定を何もしなければ、ほとんどSEO対策の効果は得られません。
「SEOを気にしない」ならよいですが、少しでも検索上位を目指し、多くの読者に読んでもらいたいのなら、SEO対策はしっかり行うべきです。
以下の項目で、これらの設定のポイントを初心者にもわかりやすく解説しています。すぐに実践できて効果的なものが多いのでぜひチェックしてみてください。
サイトを作ったら最初に行うべきSEO対策
ここでは、WordPressを開設して最初に行うべき3つのSEO対策についてご紹介します。
SEOに強いテーマを選ぶ
まず、SEOに強いWordPressテーマ(テンプレート)を選びましょう。WordPressテーマには無料と有料のものがあり、それぞれ次のようなテーマがおすすめです。
SEOに強いおすすめの無料WordPressテーマ3選
- LION BLOG
公式サイト
プラグインなしでも、ブログにほしい機能がほぼすべて実装されている国内最高レベルの無料WordPressテーマ。サイト表示を高速化できるAMPへの対応や内部リンクの最適化などSEOに必要な施策がつめこまれています。- Luxeritas
公式サイト
サイト表示速度とテーマ内部の完全性を徹底的に追求した無料WordPressテーマ。デザインがシンプルで洗練されており、多機能なのにサイトが軽いという驚きのテーマです。- Xeory base
公式サイト
コンテンツマーケティングのノウハウがつめこまれた無料WordPressテーマ。SEO対策に必要な記事タイトルやディスクリプションなどが細かく設定できてプラグインなしでも十分使えるのが特長です。
SEOに強いおすすめの有料WordPressテーマ3選
- THE THOR
公式サイト
無料テーマ「LION BLOG」と同じ開発会社が提供している有料WordPressテーマ。他のテーマでは必要なSEO対策のプラグインもいらず、AMP対応や内部リンク最適化など、SEO対策に必要な機能がほぼすべてそろっています。- Diver
公式サイト
企業向けにサイトを納品してきたノウハウと技術をすべてのユーザーが利用できるように開発された有料WordPressテーマ。デザイン性・SEO対策ともに最高品質クラスで使いやすいのが特長です。- STORK19
公式サイト
これまで2万人以上のユーザーに使用されてきた人気WordPressテーマ「STORK」の最新版。スマホでの見やすさ・機能性・デザインにこだわった「モバイルファースト」な設計でSEOに強いテーマです。
wwwの有無を統一
テーマはいろいろな種類があります。Webサイト作成に向いているもの、ブログ作成に向いているのも、ECサイトを作成できるものなど、テーマによって特徴が異なります。
ECサイトを作成するのであれば決済機能を手軽に導入できるか、アフィリエイトサイトを導入するのであればWeb広告の導入ができるか、といったようなことを確認してテーマを選ぶ必要があります。
ご自身のWebサイトの目的やイメージを考慮して最適なテーマを選びましょう。
SEO対策しやすいかどうか
次に、サイトURLの「www」の有無を統一しましょう。通常、サイト開設をしたら、以下の2通りのURLでトップページにアクセスできます。
- https://example.com/ (wwwなし)
- https://www.example.com/ (wwwあり)
一見問題なさそうですが、これを放置しておくと検索エンジンからはそれぞれ別のURLだと認識されやすく、重複コンテンツやSEO評価の分散につながる可能性もあります。
「wwwあり」か「wwwなし」のどちらかにURLを統一しておいた方が安心です。これをURLの正規化と言います。
URLの正規化を行うためには、サーバー上にある「.htaccess」というファイルに以下のコードを記述すればよいです。
- wwwありに統一する場合
-
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^example\.com$ RewriteRule ^(.*)$ https://www.example.com/$1 [R=301,L]
- wwwなしに統一する場合
-
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.example\.com$ RewriteRule ^(.*)$ https://example.com/$1 [R=301,L]
なお、.htaccessは書き換えを誤るとエラーを起こし、サイトの表示に支障をきたす恐れがあります。ファイルの書き換えに慣れていない場合は、この記事の後半でご紹介するプラグインを使うことをおすすめします。
パーマリンクの最適化
パーマリンクの最適化もSEO対策には必須です。パーマリンクとはページに固有のURLのことで、WordPressの基本設定では次のようなリンクになっています。
しかし、この設定だと検索エンジンが何の記事であるかを正しく認識できないため、SEO的には不利になります。パーマリンクは、次のような「投稿名」での設定がおすすめです。
(または https://example.com/%postname%/)
「sample-post」や「%postname%」は、いずれも投稿名を表します。記事の投稿時に、パーマリンク(あるいはURLスラッグ)の欄に英数字のキーワードを入力することでSEO対策ができます。このとき、パーマリンクには、記事と関連性の高いキーワードを含めておくのがポイントです。
WordPressの記事の投稿をする際に注意すべきこと
WordPressの基本設定が終わり、記事を書き始めたら、投稿の際に注意すべきSEO対策が2つあります。SEOで上位表示を目指すなら必須の対策なので、こちらもぜひチェックしておきましょう。
タイトル、ディスクリプション、H1タグのつけ方
タイトルやディスクリプション(説明文)、H1タグは、記事の内容を検索エンジンに伝える重要な役割を果たします。これらを記事ごとに最適化することで、SEOに強いサイトになります。
タイトルやディスクリプション、H1タグは、次のようなポイントに気をつけて設定しましょう。
- タイトルのポイント
-
- 検索上位を狙いたいキーワードを必ず含める(1語のキーワードより2語~3語の複合キーワードが望ましい)
- 記事の要点が一目でわかるようなタイトルをつける
- 読者の目を引く魅力的なタイトルになるよう工夫する
- ディスクリプションのポイント
-
- 記事の概要を120~160文字程度にまとめて書く
- ディスクリプションにも重要なキーワードを含める
- H1タグ
-
- 通常は、記事タイトルと同じ設定で問題ない
- H1タグは1記事に1個のみ設定する
- 使用しているWordPressテーマの記事タイトルがH1タグであるか確認しておく
これらを設定することで、記事の内容や重要なキーワードが検索エンジンに認識されやすくなり、SEO対策の効果もアップします。
画像の設定、altテキストの設定
画像にaltテキスト(alt属性や代替テキストともいう)を適切に設定することも、SEO対策の効果を高めます。
altテキストとは、画像が何らかの原因で表示されなかったときに、その代わりに表示されるテキストのことです。altテキストを設定しておくことで、ユーザーの理解を助けるとともに、検索エンジンにも何の画像を設定しているかを伝えることができます。
altテキストには、その画像に関する簡潔な説明文を設定します。基本的に、本文と同じ言語で書いた方がよいため、日本語で設定しましょう。
altテキストを設定しておくと、画像検索にも表示されるため、画像検索からのアクセスも見込めます。altテキストの設定は、投稿画面やメディアライブラリから可能です。
SEO対策するあら必須の計測と分析
WordPressのSEO対策は、定期的な計測と分析を繰り返すことが大切です。「達成したい成果が得られているか」「改善すべき点は何か」を明確にし、より質の高い記事に改善することで、検索順位のアップにもつながります。
WordPressの計測と分析には、次の2つのツールを使用します。
- Google アナリティクス(アクセス解析ツール)
- Google サーチコンソール(検索エンジン最適化ツール)
いずれも、Googleが提供しているツールで、サイトのSEO対策には必須のツールなので、ぜひ導入しておきましょう。
Googleアナリティクスとの連携
Googleアナリティクスは、Google公認のアクセス解析ツール(無料)です。サイトのアクセス解析に必要な機能がそろっていてさまざまな指標がチェックできます。読者がどのような経緯でサイトを訪れ、どのページをよく見ているのかなどを計測するのに便利です。
Googleサーチコンソールとの連携
Googleサーチコンソールは、Google公認の検索エンジン最適化ツール(無料)です。読者がどのようなキーワードを使って実際にサイトを検索し、アクセスしてきているのかが一目でわかります。実際に検索されているキーワードがほぼリアルタイムでわかるため、SEO対策には欠かせないツールです。
WordPressのSEO対策に便利なプラグインの利用
これまで、WordPressのSEO対策について解説しましたが、初心者にとっては難しい内容もあったかもしれません。しかし、これからご紹介するプラグインを使えば、誰でも簡単にSEO対策を行うことが可能です。
数あるプラグインの中から、初心者でも使いやすいSEO対策系プラグイン(無料)を4つご紹介しますので、ぜひお好みのプラグインを導入してみてください。
最も有名な多機能SEOプラグイン「All in One SEO Pack」
All in One SEO Packは、WordPressで最も有名なSEO対策プラグインです。記事タイトル(H1タグ)、ディスクリプション、SNS設定、サイトマップ、URLの正規化、SEO分析など、WordPressのSEO対策に必要な機能がほぼすべてそろっています。
多機能なだけに使いこなすには慣れも必要ですが、多くのユーザーが情報を発信しているので、たいていのことは調べればわかるのも大きなメリットです。
初心者にも使いやすい高機能SEOプラグイン「Yoast SEO」
Yoast SEOは世界で最も多くのユーザーに利用されているSEO対策プラグインです。初心者にも使いやすく、SEO対策に必要な機能もほぼそろっています。記事タイトル(H1タグ)、ディスクリプション、SNS設定、サイトマップ、URLの正規化などが自由に設定できます。
操作がわからないときはヘルプやトレーニングを見れば、わかりやすく教えてくれるのが親切で、ユーザー満足度も高いプラグインです。
シンプルでわかりやすい高機能SEOプラグイン「SEOPress」
SEOPressは、日本語に対応しており、見た目もシンプルで非常にわかりやすいSEO対策プラグインです。記事タイトル(H1タグ)、ディスクリプション、SNS設定、サイトマップ、URLの正規化、Googleアナリティクス連携、画像SEOなど多くの機能が無料で使えます。
投稿画面でのSEO設定も初心者にわかりやすく、使いやすさは抜群です。WordPressが初めての方にも安心してご利用できます。
.htaccessファイルを安全に編集できる「Htaccess File Editor」
Htaccess File Editorは、WordPressの管理画面(ダッシュボード)上で.htaccessを編集できるプラグインです。URLの正規化に活用できます。.htaccessの編集前にエラーチェックができるテスト検証や自動バックアップ機能もついているため、ファイルのカスタマイズに慣れてない初心者でも比較的安全に.htaccessの書き換えが可能です。
これらのプラグインを上手く活用することで、より効率的にSEO対策を行うことができます。実際に使ってみて、気に入ったプラグインを導入するとよいでしょう。
まとめ
WordPressは、サイト開設後のSEOの最適化を図ることが、検索順位や検索流入のアップにもつながります。そして、これらのSEO対策の効果を引き上げるためにも、サイトの中身であるコンテンツ(記事)の質が重要です。コンテンツの質とSEO対策はサイト成長に欠かせない2大要素になります。バランスよく取り組んで、読者に満足してもらえるサイト作りを心がけましょう。